クレジットカードミシュラン・ブログ -48ページ目

暗証番号(4)

前に続きます。

 クレジットカードミシュランのForumで勧められた本「キャッシュカードがあぶない(柳田国男)」を今日買って一通り読んでみた。キャッシュカードもクレジットカードのキャッシング機能も基本的には同じシステムなので,興味がある方はご一読を。

 さて,昨夜は一生懸命,カード関係の資料や乱雑に積み重なっている書類等からやっと各カード会社の会員規約を探してみた。暗証番号(3)でコメントしたJCBの規約の改定状況についてはかなり興味を持っていたからである。最も古いもののJCBとしては,1995年8月のJCBカード申し込み分の会員規約(鹿児島カードJCB)が出てきた。

("JCB"会員規約 抜粋)(1995.8印刷,1993.5.1推定改定)
第4条(暗証番号)
(第1項省略)
2.会員は暗証番号を他人に知られないように善良なる管理者の注意をもって管理するものとし、会員の故意または重大な過失により他人に知られたことにより生じた損害については会員の負担となります。

これが,2002年10月版になると

(JCB CARD 会員規約)(2002.10版)
第7条(暗証番号)
(第1項省略)
2.会員は暗証番号を他人に知られないように善良なる管理者の注意をもって管理するものとします。カード利用の際,登録された暗証番号が使用されたときは,その利用代金はすべて会員の負担とします。

 現在のJCBの会員規約は,2002.10版の第7条に第3項が追加規定されているものの,第2項はまったく同じである。1995年当時と2002年の規約を比較すると,第4条(2002年の規約は条項移動により第4条は第7条に改められている。)の暗証番号の規定は大きく変更され,いかなる理由があろうとも登録された暗証番号が使用された場合は全て会員負担と規定がなされている。ちなみにアメックスもJCBと同じである

 つまり,JCBやアメックスに関して規約をそのまま読めば,暗証番号を悪意のある第三者が盗用してもその支払い責務は,当該カード会員にあるいうことである。

 これまでの記事とだぶるが,これが三井住友,UC,ダイナースの場合になると,「当社に責のある場合を除き」の除外規定が規定され(カード会社に責がある場合は余程のことなので,内容的にはJCBと変わらないと思う。),DCでは,「ただし、登録された暗証番号の管理において会員に責任がないと当社が認めた場合は」という,一文が入り,暗証番号盗用に際しての責任の所在を一義的に会員に責を負わせず,セゾンでは,「但し、会員の故意又は過失のなかったことが当社で確認できた場合は、会員のご負担とはなりません」と,会員の故意と過失でないことを会員が明らかにできれば,責を免れると読み取ることができる。

 暗証番号(3)のところで,日経トレンディの記事を紹介した。1999年当時は,会員側に対し,温情的な対応を日経トレンディに回答したJCB,UFJ,UCだが,JCBとUFJの規約改定経緯を追っかけてみると,除外規定があるばかりに以前は火傷をしたのではないかと想像してしまうのは何故だろうか。ちなみに,日経トレンディで最もそっけない回答をしたのは三井住友で「会員規約上補償されません。」とある。会員規約は,カード会社の考え方を代弁しており,規約からDCとセゾンを除くと,スキミングされようが,CCDカメラで暗証番号を盗まれようが,全てカード会員の責任であると考えた方がいいようである。

つづく

暗証番号(3)

前につづきます。

 今までのカード会社の規約を見ていくと,当たり前の話かも知れないが,少なくとも私には,カード会社は民事・刑事訴訟法等関係法令の対抗要件として規定がなされていることが窺え,実際の対応については,各カード会社まちまちと考えた方が無理がないだろうと思っている。

 甘い考えを持つことは禁物ではないだろうか。また,カード会社も善良な会員のみを対象としているわけではないので,カード会社を騙してしまおうという者への対応も当然ながら迫られることになる。

 さて,クレジットカードの暗証番号についてのトラブル対応について,各カード会社の対応をまとめた雑誌の特集記事が過去にある。

 日経トレンディ 1999年9月号である。今から5年以上の記事なので,現在の対応とは異なることも否定できないが,今回の調査した会員規約で最も厳しかったUFJ(旧mc)とJCBの2社とUCのみが,管理上の不備(例えば,暗証番号を記載したメモとカードを同時に補完していた場合等)を除いて,原則,全額補償を日経トレンディ編集部に回答している。

 改めて当時の記事と現在の規約を比較してみると,カード会社の対応が変わったのではないかと想像してしまうくらいの印象を受けてしまうが,1999年当時の規約と比較しているわけではないので,これについては別途調べてみたい。

 日経トレンディの当該特集では,実際に犯罪に巻き込まれ,脅迫された上で暗証番号を第三者に教えた場合の対応については,補償されないことがほとんどというカード会社の担当者のコメントが同時に記載されており,暗証番号盗用に対しては,カード会社も対応に苦慮していることが窺える。

 情報化社会の中,カード会員は情報がどういった形で流れているかをつかめない状況下で,暗証番号盗用に係わる事件について,相手がつかまって自白しない限り,裁判で勝てる対抗要件をカード会員側が持つことは非常に厳しいと思う。

 したがって,会員側は,暗証番号4桁の意味を十分に認識した上で,暗証番号に係わる犯罪に巻き込まれないことが重要であると考えた方がより得策なのかも知れない。

 対策やカード会社における暗証番号の容易な変更の有無については,何かの機会に調べてみたい。

つづく

暗証番号(2)

前に続きます。

#一度記事を書きましたが,ログが飛んでしまい。トホホです。

次に,カード会員に優しい?会員規約を見ていきたいと思います。前の記事のUFJ,JCB,三井住友カード,ダイナースの会員規約と比較して,若干異なっているのは,DCカードやセゾンカードであり,
https://www2.dccard.co.jp/kiyaku/kiyaku.shtml
http://www.saisoncard.co.jp/guide/gu010.html

例えば,DCカードの場合は,
(DCカード会員規約 抜粋)
第3条(暗証番号)
(1項及び2項省略)
3.カード利用の際、登録された暗証番号が使用されたときは、そのために生じた損害については会員の責任となります。ただし、登録された暗証番号の管理において会員に責任がないと当社が認めた場合は、この限りではありません。
4.使用されたカードの暗証番号が当社に登録された暗証番号と一致していることを確認し、当該利用者を本人として取り扱った場合は、カード・暗証番号等に事故があっても、そのために生じた損害については、当社はその責任を負いません。

となっています。

セゾンカードの場合は,
(《セゾン》カード規約 抜粋)
第4条(暗証番号)
(1号及び3号省略)
(2)ご本人以外の方に暗証番号を知らせ、又は知られたことから生じた損害は、会員のご負担といたします。但し、会員の故意又は過失のなかったことが当社で確認できた場合は、会員のご負担とはなりません

とあり,
一見すると,会員に責任がないことを明らかにさえできれば,他のカード会社の規約と異なり,全額補償される可能性があります。いわゆる除外規定ですが,少なくとも除外規定がないカード会員規定に比べると,何らかの理由により暗証番号を盗用され,被害を被ったカード会員が,多少でも証明できれば,なんとかなりそうな気がします。

つづく

暗証番号

 最近,ゴルフ場での組織的キャッシュカードのスキミング事件を受け,カードの暗証番号に係わるセキュリティについても議論されることが多くなった。

 では,クレジットカードの暗証番号のセキュリティはどうだろうか。各カード会社の会員規約から読み取れるカード会社責任と会員責務についてみてみたいと思う。カード会社では,会員規約の中に暗証番号の条項を規定し,その中で会員の責務について規定している。内容を見ると,ほとんどのカード会社は,会員責務について暗証番号の管理義務を課している。

 例えば,会員側に対し最も厳しい規約を規定しているJCBとUFJの場合,
http://www.jcb.co.jp/kiyaku/pdf/kojin.pdf
http://ufjcard.com/kiyaku_ufj/regulation1.html

(UFJ VISAカード・MasterCard個人会員規約 抜粋)
第4条 (暗 証 番 号)
(1項省略)
2 会員は、暗証番号を他人に知られないよう、善良なる管理者の注意をもって管理するものとします。カード利用の際、登録された暗証番号が使用されたときは、暗証番号について盗用その他事故があっても、そのために生じる一切の債務について会員が支払いの責任を負うものとします

とあり,UFJの会員規約を見る限りは,暗証番号盗用についての被害は会員の責務となっている。他のカード会社はどうだろうか。

三井住友カードとダイナースの場合は,
http://www.smbc-card.com/mem/kiyaku/pop/kiyaku_kojin.html
http://www.diners.co.jp/footmenu/rule/index.html

(三井住友VISAカード&三井住友マスターカード会員規約 抜粋)
第8条(暗証番号)
(1項省略)
2.会員は、暗証番号を他人に知られないよう、善良なる管理者の注意をもって管理するものとします。カード利用にあたり、登録された暗証番号が使用されたときは、当社に責のある場合を除き、本会員は、そのために生ずる一切の債務について支払いの責を負うものとします。

とあり,三井住友カードとダイナースの場合は,「当社に責のある場合を除き」という除外規定があるものの,内容については,UFJとほとんど変わらないとみなしていいだろう。

つづく

SMC VISA Platinum Year-End Summary

 本日,三井住友カードからYear-End Summary(年間ご利用明細書)が配達記録郵便にて届いた。Year-End Summaryといえば,アメックスではゴールド以上,ダイナースではビジネス・アカウントカード,CITIBANKでは同じVISA Platinumに付帯されているサービスである。残念ながら三井住友カード以外のものを見たことはないが,年間当該カードでどれくらい使っているかどうかの目安になるのは有り難い。

 ちなみに三井住友カードの場合は,月別での業種別集計表,業種別集計表がVISA PlatinumとMasterGold Pt別にまとめられている。業種別では,旅行,飲食,ショッピング,カーライフ,レジャーサービス,マネーサービス,その他に分類されているものの,加盟店別情報で記載がなされているため,実際の用途とは異なるケースも少なくない。

 他に過去2年間の業種別利用額が分かるので,当該年を含め比較できるのは面白いと思う。残念ながらVISA PtとMasterGold Pt合算の集計はない。実際のところはこの情報がほしいのだが。。。

 実は,ネット用にMasterGold Ptを多用しているために,昨年は初めてVISA PlatinumとMasterGold Ptの利用額が逆転してしまった。また,最近ではアメックス,ANAダイナース,JAL-JCB,セゾンと利用するカードも完全に分散化してしまったので,三井住友カードの相対的な決済額は年々減っているような気がする。しかし,毎年良く使っていると思う次第である。

ゴールドカード年会費もデフレ傾向か?

 バブル以前はステータスだったゴールドカードも入会資格である年収1,000万円から500万円に下げられて久しい。最近では,様々な形で年会費の安価なゴールドカードも発行されてきて,消費者にとっては選択肢の幅が広がったと言っていいだろう。ただ,ゴールドカードもいわゆるゴールドカードとT&E系サービスを強化したフルサービスのゴールドカードとあり,選択するのであれば後者を選択したいものである。

年会費の安価なゴールドカードのうち,T&E系サービスも充実しているのは,

◎GONZO CARDゴールド(DCカード提携) 年会費無料
http://www.gonzo.co.jp/card/index.html
○UCS-VISA/Master/JCBゴールドカード(UFJ/JCB提携) 年会費3,150円(初年度無料)
http://www.ucscard.co.jp/lineup/gold/index.html
○UFJスヌーピープレミオ 年会費3,150円
http://ufjcard.com/card_ufj/snoopy_d.asp?tkcd=4023005
△荘銀UCゴールドカード 年会費5,250円
http://www.shogin-card.com/uc/ucf7.htm
△財団法人日本盲導犬協会ゴールドカード(DC提携) 年会費5,250円
http://www.moudouken.net/donation/dc.html
△ワンパスUFJ 年会費5,250円(初年度無料)
http://ufjcard.com/tcard/onepass.asp?tkcd=0750300
△東急TOPゴールドカード(SMC-VISA/DC-Master提携) 年会費6,300円
http://www.topcard.co.jp/card/kind-of/gold.htm

あたり。これらのカードは,ちゃんと空港ラウンジサービスもある。サービスの実を取るのであれば,悪くないと思う。

 もちろん,これら以外に年会費無料や安価なゴールドカードも存在する。ただし,上記以外のカードには空港ラウンジサービスといった代表的なT&E系サービスはない。色にこだわるのであれば,それも有りだろうし,発行先カード会社のサービスに魅力を感じるのであれば,選択肢の一つだと思う。

プレミアムラウンジ「セントレア」

 2月17日の中部国際空港の開港により,カード会社共用ラウンジのサービス概要もはっきりしたようです。国際空港らしくソフトドリンク・ビールは無料のようです。TS3を除くカード会社は,国内線・国際線共用ラウンジを目指したせいか,ゲートエリア外にあるのが残念な点でしょうか。現在のところ,サービスを提供しているカード会社は,下記のとおりです。

TS3 http://ts3card.com/lounge/chubu_kokusai.html
UFJ http://ufjcard.com/service/sv_tlunge_nagoya.html
VISAジャパン http://www.smbc-card.com/mem/service/tra/kokunai_raunge_tyubu.jsp
UC http://www2.uccard.co.jp/life/gold/west.html
DC http://www.dccard.co.jp/travel/a_nagoya.shtml
AMEX http://www.americanexpress.com/japan/personal/cards/benefits/travel/airportlounge.shtml?category=cyubu

他にJCBとDinersがラウンジを使えるようですが,両者のWebはまだ更新がなされておらず,詳細ははっきりしないようです。

中部国際空港に関しての最強カードはTS3であることは間違いないですが,後はダイナースお得意の2名まで無料利用があるのかどうか気になるところです。

カードの外国為替換算レート

 Web Siteのクレジットカードミシュランの「クレジットカード国際ブランド推定為替レート比較」に各国際ブランドの為替レートについて,詳細に記載したところですが,2004年9月24日にN様より,シティバンクVISAカードのレートが悪いという情報を頂き,Forumで情報提供をお願いしていたところ,シティバンクVISAカードは情報が得られなかったものの,ダイナースについては実際に為替換算レートはあまり良くなかったようです。

 以前のダイナースはTTSレートをそのまま円換算となっていましたが,現在ではJALのWeb Siteに記載のあるとおり,換算手数料を含むとなっております。

http://www.jalcard.co.jp/about/use.html

 N様の情報だと,シティバンクVISAについてもVISAの公称手数料1.63%にシティバンク独自の0.96%を更に上乗せしているようです。Web Siteの「クレジットカード国際ブランド推定為替レート比較」の更新を行うほどデータが集まっていませんが,為替レートに敏感な方はチェックした方がいいようです。

三井住友カード・トラベルデスク営業時間拡大

 三井住友カード機関誌「VISA」1月号にカードインフォメーションとして,チケット・トラベルデスクの営業時間拡大が記載されていました。
 従来は,チケットデスク及びトラベルデスクの営業時間は平日の9時から17時までとなっていましたが,営業時間拡大によりチケットデスクは,10時から18時,トラベルデスクは,9時から18時となり年末年始(12/30-1/3)を除いて年中無休となりました。

 私自身,三井住友カードのトラベルデスクは割とよく使っていたので,この時間延長はかなり重宝します。

NW/Citibank VISA Platinum

 2004年8月に情報をいただいたNW/Citibank VISA Platinumのインビテーション画像等を紹介します。日本国内では,2000年9月の住友カード(現在の三井住友カード)に遅れること4年,2004年春に同じVISAジャパン協会のCITIBANKからVISA Platinumが発行され,同年8月には国内初の提携VISA Platinumが発行されました。

 NW/Citibank VISA Platinumのサービス概要は,年会費58,800円(家族会員無料),カスタマー:プラチナ会員専用デスク / VPCC,最高1億円の国内・海外旅行死亡・後遺傷害,最高4万円まで補償の海外・国内航空便遅延保険,年間10万円の外資盗難補償保険,ノースウエスト航空ラウンジ利用( 海外18空港,23ヶ所),Year End Account Summry等の付帯サービスとなっております。その他の付帯サービスは,上記のサービス及びAsia Pacific VISA Platunumサービスを含めCITIBANK VISA Platinumと同じになります。